糖尿病:インスリン分泌促進物質を発見
血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌を促進する、すい臓内の物質を、武田薬品工業の研究グループが発見した。インスリンの分泌が不足したり働きが悪くなると糖尿病になり、日本には数百万人の患者がいると推定されている。成果は、インスリン分泌の仕組み解明や新しい糖尿病治療薬の開発に役立ちそうだ。24日の英科学誌「ネイチャー」オンライン版で発浮オた。
研究グループは、300個のアミノ酸でできた「GPR40」という小さなたんぱく質に着目した。GPR40の存在は90年代後半、ゲノム(全遺伝情報)解析で分かっていた。ヒトやサル、ラットなどの生物に存在し、生命活動に重要な働きをしていると考えられたが、詳しい働きは不明だった。
今回、ラットの培養細胞を使い、肝臓や肺など30以上の組織を調べたところ、GPR40を作り出す遺伝子は、すい臓でのみ活発な働きをしていることが分かった。すい臓の細胞の中でも、インスリンを分泌するランゲルハンス島細胞での働きが、特に活発だった。
研究グループは、このGPR40が、血液中に存在する脂肪である「遊離脂肪酸」の一種と結合することを突き止めた。また、GPR40の活性を高めると、遊離脂肪酸がランゲルハンス島細胞に刺激を与えるようになり、インスリンの分泌量を増すことを確認した。
武田薬品は「糖尿病治療に新しい道を開く」と期待しており、24日朝、同社の藤野政彦会長が出席し、今回の研究成果を正式発浮キる。 【田中泰義】。
[毎日新聞2月24日]
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